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[小話]ホワイトデーにはマシュマロを

2013.03.14 Thu [Edit]

soft
soft / Candie_N (Will organize photostream eventually)



バレンタインに、彼女からチョコを貰った。それと、マフラー。
チョコは、なんだかあれだ、いわゆるネタチョコだったのだけれど、むしろ面白くて最高に受けた。
さすが、いとしの彼女。

手編みのマフラーは、数カ所穴がないわけではないけれど、お気に入りとして愛用している。

さて。
と、なると、ホワイトデーが、やってくるのだけれど。
なににしようか、と、首をひねるのは、しかたがないことだと、おもう。




ホワイトデーとは、そもそもなんぞや。

バレンタインデーのお返しの日として定着していったっぽいこと、クッキー・マシュマロ・キャンディ・ホワイトチョコなどを送る日であること。っていうか、ぶっちゃけ、バレンタインデーほど「これ!」と決まっているわけじゃない。
あれか、バレンタインデーはチョコ業界の一人勝ちで、ホワイトデーは他の菓子業界が競り合ってしまったんだろうか、とか、夢のないことを考えてみる。

個人的には、マシュマロの日でいいんじゃないか、とか、今年はそういう気分だったので、マシュマロにすることにする。

さて。
マシュマロといっても、ただ、マシュマロを買って渡すだけじゃ、芸がない。

用意するものは、ビスケットにマシュマロに、生クリームとチョコレートやジャム、ついでにココア。

ビスケットを並べ、その上にマシュマロをのせてレンジでチン、と、やる。
膨らみすぎないように注意。
そんで、上からさらにビスケットをぎゅっとのっけて、マシュマロサンドの完成。

これを、お皿にいくつかのせて、横に生クリームなんか添えて、ジャムとチョコで飾り付けたりして。
で、マシュマロサンドのデザート皿完成。

これに、マシュマロ入りココアをつけて、ホワイトデーな、デザートプレート完成。

残りのマシュマロサンドは、ラッピングしてお持ち帰り用にしておく。



「おまたせ」

俺の部屋での晩御飯も、もう随分当たり前になってきた。
料理がうまいなんてずるいー、でもおいしいー、と、ごはんを食べる彼女をみるのが、ごく日常になってだいぶたつ。
時々は彼女も作ってくれて、これって最高に幸せだなぁ、と、しみじみ思う今日このごろ。

「うわぁ、デザートですか? これなんですか? ……マシュマロ?」

目の前にお皿を並べたら、感嘆の声を上げ、皿を持ち上げてしげしげと眺めながらそういう彼女に頷く。

「ん。マシュマロサンド。と、マシュマロココア。ホワイトデー、ね」

うわぁぁぁぁ、と、嬉しそうに笑った彼女は、それからすぐに、しょんぼりと項垂れる。

「私、ねたチョコだったのに……! 手作りとか! 先輩、なんでそんなに女子力高いんですか!」

女子力って。

ぷは、と、吹き出しつつ、彼女の頭を撫でる。おお、さらさら。

「マフラーの、お礼。お気に入りだから」

「ううう……いただきます」

そうして食べ始めた彼女は、やがて幸せそうに笑うから。

その笑顔が好きだから、料理するんだって、言ったらきっと、真っ赤になるんだろうか。

再開して、プロポーズして、両親への挨拶もして。

結婚式の準備もはじめて、忙しい今日このごろ。

それでも。

これから先、こうして彼女の笑顔を見る回数が、きっと増えるのだとおもえば、それもまた、幸せなことだ。

「もうもうもう! 愛してますっ、幸せにしますからーっ」

おいしいーっ、と、ジタバタ暴れながらそういう彼女に、僕は笑う。

「幸せにしてね」


そんなホワイトデーの夜のお話。

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