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[掌編]抱きしめた温もりを

2013.03.06 Wed [Edit]

Two baby fluffy jr
Two baby fluffy jr / khanb1



この両腕に、しっかりと抱きしめる。
キャラキャラと笑う幼子の声は、愛しくて。
ずっとこのまま、腕の中にいればいいのに、と、そう思っていた。

それは、遠き昔の私が知らない私の記憶。
存在するのかどうかもわからない、異なる世界での、思い出。




私の話をしよう。

私には、私が知らない記憶がある。
前世か? といわれると、多分違う。
そもそも、私が知らないはずの記憶なのだ。
小さなころの思い出、ではなく、姿形は今の私と同じで、しかし、遠い昔の出来事だ、と、記憶は告げる。

その私は、どこかここではない場所で、小さな子どもと楽しげに笑いながら過ごしている。
きゃらきゃらと弾けるような笑顔の幼子と、つられるままに笑う私。

けれど、私はそんなことをした記憶もなければ、今住んでいる場所以外のとこかに言った記憶はない。

そして、その世界は私の今いる、この普通に地球と呼ばれる世界ではないということだけは、何故かわかってる。

だって、地球の空を、龍のようなものや、羽の生えた人は、飛んでないと思う。


姿形からすれば、今の私とそっくりそのまま同じなのに、私にはその知らない場所に行った記憶も、その幼子のことも、記憶にあるのに知らない。
記憶は確かに、古いものだと私につげるのに、私はそれを「知らない」。

言葉にすると難しいけれど、それは、ものすごく違和感のあることでありながら、ずっと、私は小さい頃からこの記憶と付き合ってきた。

だから。
その、幼子とともある人間が「私」であると気づいたのは、割りと最近の事なのだけれど。


記憶は、出来事を覚えているものではないのだろうか。
あの幼子の記憶は、私にとって体験した出来事ではない、はずなのだ。
体験していないと、そう感じるというのに、けれど、古い記憶として私の体の中に、しっかりとそれが存在するのは、一体なぜなんだろう。

もしかして、この先に起こることを、私は見ているのだろうか、と、そんなふうに考えることもあるけれど、その遠い記憶が「前世のものである」という定義と、どちらがより信憑性がないのかというレベルの内容になるし、それならば「夢で見た出来事」だと結論づけた方が、まだ納得できる。

けれど。

ぬくもりが。
あの幼子のぬくもりが、忘れられなくて。

私はずっと、この記憶を、夢や記憶違いだと、思えないままで、いた。


幼子は、抱きしめた腕の中、きゃらきゃらと笑う。

そして告げるのだ。

待っててね、と。

その言葉の意味は、ずっとわからないけれど、もしかするとこの先、いつか、あのコに会えるのかもしれない。

あのぬくもりを、もう一度この腕の中に感じられるのならば、いつまでも待てるのに、と、ひとりただ、小さく笑う。


私は、もうすぐ、花嫁になる。

結婚し、そして、いつしか母になる。


もしかしたら、会える日は、そう遠くないかもしれない。

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