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[掌編]ホントはあなたを愛してる。

2013.02.04 Mon [Edit]

cat and sky
cat and sky / zaniele



ずっと親友だよ! と、私は彼に笑いかける。

時折、その言葉を聞いた彼の顔が、僅かに歪むのに気づいていながら、それでも、私は彼に「親友」であることを要求する。

酷い女だと、我ながら思う。
醜いな、って、我ながら思う。

だけど。

失うくらいなら、ずっと、親友でいたいと、そう、私は思うから。

失いたくなんかないって思うから。

これは、恋なんかじゃない。

恋よりも、もっと。



「ばっかじゃないの」

めがねをずらしながら、呆れたようにカナコがいう。カナコは、私の親友。彼も親友だけど、彼とは違う、普通に女の子の、親友。

「バカですよ。でも、しょうが無いじゃん」

ぷぅとわざと膨れたら、指でつついて潰される。あう、酷いじゃない。

「しょうがなくないでしょ。ほんとに。――結構さいっていだよ、あんた」

歯に衣着せぬ彼女が、ちょっと恨めしくて、でも、ありがたい。

す、と、視線を逸らしながら、どこかで私は、最低と言われて安堵していた。

うん、私、最低だわ、と、再確認して。

まあ、彼のことを親友だよ! などと言っておきながら、カナコのことを「普通に」「親友」と思考してる時点で、私自身が男女の友情なぞ信じていない、というのをお分かりいただけるかもしれない。
まあ、あるだろうとは思う。し、間違いなく、最初は、彼との間にあったのは、純然たる友情だった。それは確かだ。

けれど、初めての恋人ができて付き合った時、親友たる彼と一緒にいることを、その恋人が嫌がった。

いやうん、それはわかる。彼女が別の男と一緒にいて、いい気分のひとってそりゃ、いないよね。

でも。

だからって、親友たる彼を、誹謗中傷するってなんか違うよね。

で、切れてわかれた。

そのときに、気づいた。

あ、私、親友くんのこと、好きなんだ、って。


そんで、怖くなった。

親友は、ずっと、親友でいられる。

例えば、結婚しても、まあ、旦那の理解がなければ厳しいけど、親友は親友だ。

しかし、恋人は、別れたら恋人じゃなくなる。また親友に戻れる可能性も高いとはいえない。
ましてや、旦那になったりした日には、別れたら大変なことになる。

うちの、別れた両親みたいに。

超ラブラブだった。小さい頃の記憶にある両親は、超ラブラブだった。
すごく仲が良くて、すごく幸せそうだった。

でも。

私が中学にあがる頃から、ギクシャクして、ひどく険悪になって。

彼らは別れた。きっぱりと。

何があったのか、なんて、子どもの私にはわからない。

けれど、あれだけ中がよく、らぶらぶに見えた両親もわかれるんだ。

さらに言えば、じいちゃんばぁちゃんも、同じくらいに離婚してる。こっちは熟年離婚らしい。
すごくおしどり夫婦だと思ってたのに、びっくりしてショックだった。
じいちゃんが、私が思ってるよりも亭主関白だったらしい。
ばあちゃん、我慢の限界とかいって、離婚。

だから、どうしても、夫婦とか、恋人とか、そういう関係はいつか壊れるような気がして、だから、親友くんのことが好きだ、って思う私も気持ちも、もしかすると恋人だったり夫婦になってしまったら、壊れてしまって二度と会えなくなるかもしれない、なんて、そんなふうな恐怖を、覚えたんだ。

だから、私は、親友だよね! と告げる。

親友なら、失うことはない、と、そう思うから。


そのくせ、そのたびにちょっとだけ歪む彼の表情に、安堵を覚えてるのは、ほんっとに私サイテイ。


新しい恋をしようと、あれこれ付き合う(一応吟味はしてるよ?)けれど、みな、親友くんを邪険にしたり邪魔に思う人ばかり。
親友くんの存在ごと、受け止めてくれるような、そんな相手を探してるんだけど、難しい。

何度目かの破局のあと、ぽろりとそう漏らしたらば。

カナコは、思いっきり冷たい目で、私をみた。

「あんたってほんっとサイテイ」

はい。自覚はあります。
ごめんなさい。


彼のことは、好きだと思う。
私をみる彼の目が、好きだと思う。

でも。

恋人になったら、壊れちゃうかもしれないじゃない。
そんな、恋心とか、意味不明で曖昧な感情に囚われた関係なんか、私はいらない。

もっと、こう。

そばにいられればいい。話が出来ればイイ。いつもそばにいたいとまでは、いわないけれど、何かの折に顔を合わせて会話をしたい。
そして、親友くんが、誰よりも幸せであればイイ、と、思う。

私では、彼女になれないから。

いつか壊れるかもしれないという恐怖で、きっと、私は関係を壊してしまうから。

私じゃない誰か素敵な恋人が、できればいいな、と、そう思う。

胸がいたまないわけじゃ、ないんだけど、それでも。

彼が幸せだといいな、と、思う。

だから、私は、親友くんにこういうのだ。

「私達、親友だもんね!」

と。

満面の笑顔で。
幸せになって欲しいから。

失いたくないからこそ、私は、そう言い続ける。

きっとこれは、恋なんかじゃないのかもしれない。

恋じゃないかもしれないけれど、でも。

きっと、恋よりも、もっと。


「それはきっと、愛だな」

どこか呆れたようなカナコに、笑い返す。


そう。

決して言葉にすることはないけれど。


ホントは、あなたを愛しているの、と。

心でそっと、つぶやいた。

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