[メモ]実名と、PNとの狭間で
2012.10.10 Wed [Edit]
ネットで、実名を名乗ることへの心理的抵抗
私がネットに触れ始めたのは、1995年前後のことでした。
その頃はチャットに入り浸っていたわけですが、当時のネットマナーは「実名は名乗ってはいけません」がデフォルトでした。
自分の住んでいるところの詳細も、実名も、名乗るべきではない。それが、「マナー」だったように思います。
様々な事件がありました。そのたびに、自分の名前・住んでる場所は書いてはいけない、と、聞きました。
そんな私にとって、ネットで「実名を名乗る」ことは、若い頃に刷り込まれた規範によって、とても恐ろしいことに感じるのです。
PNとHN
私はもともと、小説書いたり詩を書いたりしてる傾向の人間です。ゆえに、アナログな時代からペンネーム、なるものをずっと使い続けてきました。
その上、割りとあちこちの掲示板……には参加してませんが、チャットなんかに若いころはおじゃましていたこともあり、ずっと以前からHN(ハンドルネーム)を使うことが普通でした。
以前使っていた「夕花」というのも、元々オンラインゲームの時に使ってたキャラの名前を合体させたもので、それゆえに「ゆか」ではなくよみが「ゆうはな」だったりします。
ここ数年の、ネット上での創作活動も、昔のPNは使わず、HNでずっとやってきました。
いつだったかちょっと忘れましたが、「夕花」の名前にあわせて「日奈久夕花子」と、PNを完成したのは、そこまで昔のことではありません。
少し前までは、「日奈久夕花子」名義で小説を発表したりブログを書いたりとしていたわけですが、色々考えるところがあって、最近、「喜多美耶子」という、実は本名にかなり近いPNへと名前をかえました。
実名を名乗る、ということ
数年前、病気で入院してみたり、結婚してみたり、子供を産んでみたり、離婚してみたり、と、何年もネットには触れつつも、ブログなどからは離れた場所にいて、戻ってきてみると、Facebookがメジャーになっていました。
そこでは、登録は実名です。
住んでいる場所も、(設定によりますが)かなり公開されます。
ネットでの流れも、実名で活動されている方が多かったり、また、実名で語るべきという文責を問う論調があったりと、どちらかというと過去に比べれば実名であることを尊重するような流れがあるように思います。
また、災害の時のFacebookやその他実名SNSの果たした役割を思うと、過去のように一概に「実名名乗るのは良くない」というのは違うんだろうな、と、そんなふうに思うのです。
読んでくださる方の間口を増やす、という意味では、FacebookやGoogle+を活用するのは、いいことなのでしょう。
Google+ならまだしも、Facebookは本名結構くっきりわかります。HN表記ですが、ちょっとたどれば(確か)本名はまるわかりです。
けれど、私は、やはり怖いのです。
何故だろう、と、考えてみると、そこには「私だけならいいけど、子供がいるから」というものがあることに、気づいたのです。
もちろん、ネットマナーや、色々なことに気をつけて、記事を書いたり公開したりはしています。
けれど、ぽろりとこぼした何か、無意識の言葉が、どんなふうに広がるかわからなくて、不安になるのです。
考えすぎ、かもしれません。自分の言葉に責任がない、と、思われるかもしれません。
けれど、インターネットというつながった全世界に開かれた場所で、文章を公開している現状、どなたが見ているかわからない、何があるかわからない、そのことだけは、忘れてはいけない、と、思うのです。
これから先、私の中で折り合いが付けば、もっと実名での活動を増やすかもしれません。
まだ、私には、どちらがいいのか、は、わかりません。
これから先、時代が進み、もしくは、私の中の考えが変化していくことでしょう。
どちらがいい、どちらがわるい、ではない、自分の納得できる方を選べるようにしたいな、と、そんな風に思うのでした。
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