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[掌編]お断りします!

2012.01.14 Sat [Edit]
目覚めたら、寵姫でした。

――なにいってるんだとおもうんだろうけど、私もわかんないんだ、ごめん。

If we had two moons
If we had two moons / mrmoorey




とにかく、知らない場所で知らない女の人たちに囲まれてて、なんだかわからないけれど、毎晩お盛んでらっしゃるのねおほほほみたいな、よくわからないこと言われて、何言われてるのかわからないしついでに言えばなんだかわかんないけど異様に洋服苦しいし、どうみても知らない場所だし、ちょうど夜だったんだけど窓の外につきが2つあったりするし、えええええ、何事なのぉぉぉぉ! とテンパりすぎて。

泣いた。
超泣いた。

もうね、この世の終わりかってくらい、泣いてみた。

最初はね、ぼろってこぼれたわけよ、涙が。そしたら、まわりが泣けばいいと思ってみたいな感じでおほほほほって嘲り笑うわけ。もうね、こっちはわけわかんなくってさ、どうしていいかわからないわけよ。なにここ、なにこれ、なんなのよ、っていう。もうねぼろぼろぼろぼろ、次々こぼれ落ちて、最後には子どもみたいに大声上げてないてみた。……羞恥心? そんなもの、どっかにとんでったわよ。

――そしたら、だ。



「……姫を泣かせたのは、誰だ」

低い低い、地をはうような声が聞こえて。びしり、って目の前の人達が固まって。でも私はまだ泣いてて。もう見もせもなく泣いていて。地面突っ伏してないてたらば、そっと抱きあげられて、びっくりして一瞬泣き止んだら、えっらく肉食系の美形が私をみていて。


怖い怖い、超怖いって!!

また泣いた。


「ああ、姫、そんなに泣くな。目が溶けてしまう。――お前を悲しませるものは、すべてこの地上から消してしまうからな、何も心配しなくていい」

いやいやいや、怖いから、それ、超怖いから! っていうか、あなたが一番怖いから! ぶんぶんと首を振ってそれでもひくひく泣いてたら、よしよしと大きな手が頭を撫でる。ちょ、怖い、その手大きすぎて怖いっ。ぷるぷるふるえてれば、ちゅ、と目尻を温かいものがかすめる。


ひぃぃぃぃ、食われる!

「姫は優しいな。けれど、そんなに他のものにやさしくなどしなくて良い。お前は他のモノなど気にかける事ないのだ」

ヤンデレ?! ねえ、ヤンデレなの? ひくひく泣き続けながら、ええ、この人は泣き止ませようと思ってるんでしょうが、余計怖すぎて泣けますから! むしろ離してください――!! と必死に暴れれば、更に抱き込まれる。

「よしよし、怖かったな。大丈夫だ」

あんたが怖いんだってー!!

泣き続け、その男に気を取られていた私は、気づかなかった。

周囲の人が男が現れた途端凍りついたことも。そして、私が抱き込まれている間に、その周囲の人間が一人残らず捕縛されたことも。

気づいたときには――皆牢屋の中。

ちょ、ちょっとまって、いみわからないんだけど!


後宮にて一人寵愛を覚える姫だったらしいのだけれど、なぜ「私」の意識があるのか、姫はどこに消えたのか、わからないまま、とにかく、肉食系陛下が怖くて怖くて、私はひたすら泣き暮らした。

うう、かみさまー、どうにか元の世界にもどしてくださいー!



ビクビク怯えながら、その男――王だったらしい――が来るたびに泣くようになった私は、落ち着くまでかなりの時間がかかり、状況を把握するまで途轍もない時間がかかるのだけれど、それもまだ先の話。

そして、怯えられる度にどこかしょんぼりとした王が、恐る恐る扉の影からお菓子を差し入れるようになり、餌付けされるようになるまで、あと少し。

そんな私の、異世界トリップ? 憑依なの? な、出来事の冒頭は、こうして始まったのだった。


fin


始まったけど続かない。

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