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[掌編]テンプレでいこう!(注:タイトルに偽りあり)

2012.01.11 Wed [Edit]
目覚めたら、赤ん坊でした。

なんだそれは。

どうやら自分は死んで生まれ変わったらしい、と、気づいたのは、それから暫くしてのこと。ぼんやりとした意識の中で、温かい場所でお腹を満たすものを与えられて泣いて寝て、隣に同じくらいのサイズの何かがいることはなんとなくわかったけれど、それがなんなのかわからなくて。

意識がぱちん、と、弾けるようにはっきりしたのは、1歳の誕生日の日。

おめでとう、と、両親らしきキラキラしい二人に告げられ、使用人らしきひとたちに祝われ、これは転生というやつか! たぎるぜ! と、無意識にぐっと拳を握ったら、隣でも同じように拳を握る気配。おや? と見つめれば、1歳くらいの銀の髪に紫の目の女の子がこちらをみていました。

……どちらさまですか?




結論。あの女の子は、双子の妹だったらしい。言葉を喋れるようになってからきいたらば、あちらはこっちが弟だろうと主張したけれども、断固として拒否する。あれは妹だ。妹とかたぎる! とかつぶやいたら、ものすごい毛虫を見るような目で見られた。――どうやら、妹も転生者らしい。

妹というものは可愛いもの、と、思っていたのだけれども。どうやら、そうもいかないようで。同じく転生者、しかも過去の記憶持ちの妹は、ただしイケメンに限るを地でいくようすで、無意識にかイケメンな使用人やら父の友人たち、何やら付き合いのある家の子息たちと仲良くしている。は、逆ハー志望ですかいてぇな! と告げたら、鼻で笑われた。あー、こちらも無意識に、ぼいんと素晴らしい胸を持つ美人や可愛い子ばかりに擦り寄っていたらしい。しょうがない、それは本能である……! しかし、微妙にむかつくのはなぜだ。やはり同族嫌悪というやつか、と、内心で分析する。妹なる生き物は、微妙に女性陣の評判もよろしく、さり気なく邪魔臭い。……妹に言わせると、男の子同士でつるんで遊ぼうとするから、あちらにすればこちらが邪魔臭いらしいがしったことか!

そんなこんなで、微妙に邪魔臭いぞと互いに思いながら、すくすくと育って、気がつけば10を超えてました。おうふ、びっくりだ。

で。

学校にいくことになったわけで。王都の上流階級の子息のための学校にいくとかで。こちらは跡取り息子、あちらも何やら王族に嫁げるレベルの家の長女ってことで、まぁあれですよ、学校ではちやほやされるわけで。ふっふっふ、ハーレム作ってやるぜー! と、思ってたのに、思っていたのに!!

ことごとく邪魔するんですよ、妹が!

というかね、これぞという子は、気がつくと妹のサロンに参加しているわけですよ。まぁ、大体において王族の娘がいない今、女性陣では妹がトップですからね、そこにレベルの高い子――家柄のみならず容姿も、ですよ、そこは妹、なにやら女性だろうとも美形のほうが目の保養とかいっていたけれども――が集まっているわけですよ。悔しいから、剣技やら勉強やら無駄に頑張りましたよ。基本スペックがどうやら前世よりアップしてるようなので、結構良い感じに鍛えられてたら、なにやら王子様なんて生き物に、お前いいなとかいわれましたよ。一瞬、アーッ! かとおもったけれど(いやそれを期待したのか目を輝かせた妹のあの肉食な視線が未だ忘れられない)、そうではなく、側近候補を今から集めてるんだとか。青田買いかよ。

で、まぁ、なんとなーく、そういう男子トップとつるんでたら、言うんですよ奴ら。うちの妹が可愛いとか、賢いとか。あれですよ、あの妹ですよ。本性わかってるからやめといたほうがっていったら、シスコン扱い。なにこれ。なにこれ。しかも妹本人からジャマスンナとか言われるし。ねえ、なんか立場弱くないですか。これでも長男ですよ。おかしいな、目からしょっぱい水が出てくるよ。

まぁ。お互い微妙に邪魔臭いな、なんて思ってたんですけどね、ある時気づいたわけですよ。

サロンと学友。サロンは女性の園、こちらは男の園。交流して上手いこと取り込めたらお互いハーレム・逆ハーレムじゃね!? と。その旨相談し、ウザ可愛い妹は、可愛い妹に。お互いににっこりにこにこ笑顔で、互いのエリアで交流ですよ。次第にお互いのハーレムっぽいものもできてきて、よかったね、なんておもってたんです。おもってたんですけどね……。

気がつけば、妹はがっつり王子様にターゲットロックオンされておりました。あらら。めんどいから王族はいやだとかいってたのに、微妙にヤンデレチックな王子が妹溺愛中。妹必死で逃げてるけど時間の問題っぽい。ご愁傷様ですなんて、他人事でいられたのは、少しの間だけでした。

えー。実は、妹は女性陣のほぼトップではありましたが、サロンに興味を示さない、妹と同格の女性というのがおりました。こちら、もともと武門の一族であらせられまして、ご令嬢もどちらかというと武を好まれるようで。美人なんですよ? 美人なんですけどね。……自分より強い相手にロックオンされてしまいましたぜ。最初は、私を倒せる相手に嫁ぐ! とか言ってたはずなんですけどね。どうしてこうなった。日々勝負を挑まれこちらが負けるんですが、こちらが勝てるようになるまで鍛えあげるそうです。……勘弁して下さい。

必死で逃げて、やっとの休暇に戻った実家の、庭の東屋で、妹と二人項垂れて深々とため息ですよ。

いやもう、ほんと、どうしてこうなった。

どうにかお互いのり切ろう、と、ここに来て互いの健闘を称えていれば、遠くから、二人を呼ぶ執事の声がして。その声の切羽詰まり具合に、ものすごーく嫌な予感を覚えながら、再び二人でため息。

神様、ハーレムも逆ハーレムもやっぱいらないんで、平和くれませんか。

そんな、転生した双子は今日も、異世界の空の下、どうしてこうなったとつぶやきながら、それぞれ過剰な愛を注がれていきていくのでした。

おしまい。

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