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2.眠るきみに秘密の愛を

2011.11.30 Wed [Edit]
いつからだろう。
いつから、変わったのだろうか。

ただ愛しい、かわいい、それだけで済まなくなったことに気づいたとき。
静かに、その思いを、胸の奥底に沈めた。

そう古くない、数年前の記憶。

幼いころは、よかった。何も考えずにすんだ。かわいい妹、そう、いうなればそんな存在。
真っ直ぐに向けられる感情もくすぐったくて、どうせ勘違いのいつかは消える思いだろうと思っていながらも、悪い気なんかするわけがなくて。ただ少しばかりうっとおしいな、と、思わなかったわけではないけれど、それでも、かわいい妹分、だった。

それが変わったのは。
いつだったか。

共にお風呂に入ることもなくなり、目の前で着替えることがなくなっていった、彼女の小学校高学年時代。
それでもまだまだ、ランドセルを背負った姿は、幼い子供でしかなくて。まっすぐに甘えるのを、いなしながらあやしていた、そんな記憶。
もちろん、そのころから彼女の体は間違いなく女性として成長を始めていて。
……いろいろと変化があったことは、母経由で漏れ聞いては、いた。

けれど。
はっきりとその変化を思い知らされたのは、間違いなく、あの時。

――彼女が中学に入学したとき、ではないだろうか。




はじけるような笑顔で、届いたばかりの制服を試着した彼女が、転がるように跳ねるように隣の我が家まで来て。
とてもうれしそうにその姿を見せた時――たしかに、驚かされた。

間違いなく、彼女は成長していて。
女の子から少しずつ、女性へと変化をしていて。
その事実に、ショックを受けたのと同時に、そのショックを受けた自分にすら、衝撃を覚えたのは間違いない。

歳の差や、もろもろ。
もしかして自分にはそういう性癖があったのか、と、それらしき資料を探したり映像をみてみたりもしたが、ほかの少女らの姿を見ても、どうということはない。
なのに、なぜ、彼女の変化に戸惑い、そして心をゆすられたのか。

……少し考えれば、簡単に答えがでるにも関わらず、その答えを出すまでに、そしてその答えを受け入れるまでに、3年ほどかかってしまった。

理由は簡単。

往生際が悪かった、ただそれだけのこと。

理解してしまえば、今度は別の壁が立ちはだかる。いくら彼女が成長したといっても、まだ未成年。否、せめて18歳までは、と、思ってしまうのは、古臭い考えなのだろうか。それでも、愛しいと、大切にしたいと、そう思う相手であればこそ、それまでは我慢の時なのだと、強く言い聞かせつつ、今までと変わらず甘える彼女に理性を試されることも多数。――自分の自制心に、これほど感謝した時期は、ないだろう。

無邪気に抱きついたかと思えば、そのまま隣で寝ついてしまう彼女の、その無防備さ。その穏やかで幸せそうな寝顔に、伝えられない想いを、静かに囁いた。――まだ、それで十分だったから。

けれど。
年を取ろうが、年上だろうが、いつも穏やかに心広くいられるわけではない。
無防備な彼女に、まっすぐな彼女に、獣性が目を覚ましかけることも多々あって。それを抑え込んでいるうちに、少しばかりその無防備さに、隙の多さに、無意味で勝手だとわかっていながらも、妬心を抱いてしまうこともあるわけで。

それでも。
あんな顔をさせたかったわけでは、ないから。
会ってフォローしなければ、と、ちょうど締切が重なってはいたけれど合間にこまめに実家に戻っていったのだけれど、なぜか、彼女には会えなかった。

いや、なぜか、なんて、理由なんかわかりきっている。
彼女が会おうと思わないから、これまでのように会うための行動をとっていないから。
会えないのだ、という、事実。

少し時間ができて実家に戻り、リビングでくつろぎながらも、ため息が漏れる。隣家に行くべきか。いや、それで逃げられたらなんて説明をする? ぐるぐる回る思考の中、ふとみれば、母が電話をしていて。

……帰っていない、と。
連絡もない、と。

すぐに電話を替わり、探しに行くことを伝えて。
家を飛び出したはいいけれど、どこを探せばいいのか、わからなくて。
焦る気持ちに押されるように、あちこちと視線を走らせながら町を走り抜けて。

公園に、たどり着いたとき。

ぽつん、と、ベンチに座る、彼女がいて。

歩み寄れば、寒いのか身震いをする姿。安堵からため息が漏れる。と、それに気づいた彼女が焦ったように顔をあげて。

……心配しすぎて、つい、憎まれ口がこぼれて。

とにかく、このままでは、風邪をひかせてしまう、と、手を引いて家に戻る帰り道。

そう。
時は逢魔が時。などと言い訳するつもりはないけれど。
魔が差した、と、いうしか、いいようがない。

振り返れば、ほろり、と、涙が彼女のつるりとまろい頬を滑り落ちていって。
それが、とてもきれいだ、と。どこかぼんやりと、思考の奥で、そう、考えて。

気が付けば、触れていた。
その、すべらかな頬に。濡れた後をなぞるように、ゆっくりと、目じりをたどる。
濡れたその目が、自分を見つめ返して、ぞくりと背筋が泡立つ。
大きく見開かれて、はっ、と我に返る。

いったい、何をしていた!

あわてて手を引いて、握りしめる。
茫然と彼女が見つめるのが、どこか後ろめたくて見透かされているようで。
このまま見つめられていたら、どこかが壊れてしまいそうで。

「っ。子どもはもう寝る時間です。さっさと帰りなさい」

家の前まで来ていたから、背中を押しながら家のほうへと向かわせて。
扉の前まで、どこかふらふらとたどり着くのを確認し終えた瞬間、駆け出していた。
自分の家へ。自分の部屋へ。

どうしたの? と、のんきに問いかける母に、彼女は帰ったことだけを伝えて、階段を駆け上がり。
部屋について扉を後ろ手に占めた瞬間、そのままずるずると座り込んだ。

……馬鹿、か、と。

自分の、行動と、言動と。
省みたそれらの、あまりにも馬鹿さ加減と。触れた温もりとその感触の記憶から湧き上がるものの熱に、浮かされるようで。
片手で口元を覆うと、座り込んだまま、しばらく動くことができなかった。



-------8×-------- 8× -------- キリトリセン --------8×-------- 8×--

サイト名:確かに恋だった
管理人:ノラ
URL:http://have-a.chew.jp/
携帯:http://85.xmbs.jp/utis/

「無防備なきみに恋をする5題 」より

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