香草と香油。
2011.11.14 Mon [Edit]
「ね、ね。これ、どうやって使うの?」
久々の村で。
立ち寄った昼間の食堂は、女の子たちのお茶会の真っ最中で。
気が付けば、囲まれていました。
「え、えっと。これは……香油ね。うちの?」
「ええ、今日買ったばかり! なんだか甘酸っぱい香りで気にいったのー。そのままはダメなのよね?」
「そのまま肌につけるのはよくないから、ええとそうだな、ほんの少し、服の、そうね、スカートのすそにつけるとかはどう?」
「スカートのすそ? 胸元とかじゃなくって?」
ぐいっと胸を突きだしてくる彼女に、思わず後ずさりながらうなずき返す。
「え、ええ。胸元だと香りが強くなる可能性があるから、すそ。風にふわっとなびいてかおる感じ。どう?」
「きゃ、なんだかすてきねぇ。あとは?」
「ええと、湯あみや体をふくときにお湯に一滴たらすとか、布にしみこませておいておくとか。あ、少しだけよ?」
「うんうん、なるほどー。1滴ずつくらいだから、だいぶ使えるわー。買ってよかった」
嬉しそうに微笑むに、つられてながら。
「でも、高かったでしょう? それ」
自分で作って卸していうのもなんだけど。娘さんのお小遣いで簡単に買えるものではないはず。
「みんなで、出し合ったのよ。ちょっとずつになるけどって、思ってたけど、結構使えそう。これで旦那様候補をゲットよ!」
ふふん、と、彼女は笑う。胸を張って。胸はいいよもう……この世界の人たち、胸でかすぎ。元の世界じゃそんなに小さいほうでもないはずだったのになぁ、私。と、思わず自分の胸に視線を落としてため息。
それに気づいたのか、別の子がそばに来て、ぽんぽん、と頭をなでてくれた。
……子供じゃないから!
お茶を一杯。お菓子を添えて。
軽やかに笑い転げる少女たちに囲まれて、気後れしながらも、ひと時のティータイム。
ふ、っと、口元が緩む。
こんな風に話せる日がくるとは、思わなかったけれど。
ガールズトーク。悪くないんじゃない? なんて。
そんな風に思える自分が、嬉しくて。
なんだか、くすぐったかった。
久々の村で。
立ち寄った昼間の食堂は、女の子たちのお茶会の真っ最中で。
気が付けば、囲まれていました。
「え、えっと。これは……香油ね。うちの?」
「ええ、今日買ったばかり! なんだか甘酸っぱい香りで気にいったのー。そのままはダメなのよね?」
「そのまま肌につけるのはよくないから、ええとそうだな、ほんの少し、服の、そうね、スカートのすそにつけるとかはどう?」
「スカートのすそ? 胸元とかじゃなくって?」
ぐいっと胸を突きだしてくる彼女に、思わず後ずさりながらうなずき返す。
「え、ええ。胸元だと香りが強くなる可能性があるから、すそ。風にふわっとなびいてかおる感じ。どう?」
「きゃ、なんだかすてきねぇ。あとは?」
「ええと、湯あみや体をふくときにお湯に一滴たらすとか、布にしみこませておいておくとか。あ、少しだけよ?」
「うんうん、なるほどー。1滴ずつくらいだから、だいぶ使えるわー。買ってよかった」
嬉しそうに微笑むに、つられてながら。
「でも、高かったでしょう? それ」
自分で作って卸していうのもなんだけど。娘さんのお小遣いで簡単に買えるものではないはず。
「みんなで、出し合ったのよ。ちょっとずつになるけどって、思ってたけど、結構使えそう。これで旦那様候補をゲットよ!」
ふふん、と、彼女は笑う。胸を張って。胸はいいよもう……この世界の人たち、胸でかすぎ。元の世界じゃそんなに小さいほうでもないはずだったのになぁ、私。と、思わず自分の胸に視線を落としてため息。
それに気づいたのか、別の子がそばに来て、ぽんぽん、と頭をなでてくれた。
……子供じゃないから!
お茶を一杯。お菓子を添えて。
軽やかに笑い転げる少女たちに囲まれて、気後れしながらも、ひと時のティータイム。
ふ、っと、口元が緩む。
こんな風に話せる日がくるとは、思わなかったけれど。
ガールズトーク。悪くないんじゃない? なんて。
そんな風に思える自分が、嬉しくて。
なんだか、くすぐったかった。
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