胸。
2011.11.15 Tue [Edit]
視線を感じて振り返った。
ら。
彼女がじーっと見つめていた。
胸を。
「な、なぁに?」
思わず後ずさり。
けれど、彼女は視線をそらすことなく。
「……大きいですね」
「そ、そうかしら? あなただって……」
そうでもなかった。思わず語尾が消える。
彼女はすっと半眼になる。
「わかってますよ、どうせ、ええ、わかってますとも。私には胸はありませんよ!」
「いえ、ないってことは……」
「ええ、ええ! 世間一般よりはとーっても小さいですよ!」
そのあとここでであって、向こうではそうでもなかったのにっ、と、つぶやく声が聞こえたけれど。
とりあえず……。
「どちらにしろ、あまりじっと見るのはぶしつけだと思うの」
「でも目につくと見ちゃうんだから仕方がないと思うの!」
困ってしまって視線をさまよわせると、ぱちり、と、彼と視線が合う。
……とたんにそらされる。もう、困ってるときにそんな。話題が話題だからわからなくもないけど。
と、その視線の動きに気づいたのか、彼女が彼をみて。
「ねぇ。やっぱり、大きいほうがいいの?」
真顔で聞いた。
……少しだけ、彼女につつしみというものを教えるべきなのでは、と、思ってしまった私だった。
ら。
彼女がじーっと見つめていた。
胸を。
「な、なぁに?」
思わず後ずさり。
けれど、彼女は視線をそらすことなく。
「……大きいですね」
「そ、そうかしら? あなただって……」
そうでもなかった。思わず語尾が消える。
彼女はすっと半眼になる。
「わかってますよ、どうせ、ええ、わかってますとも。私には胸はありませんよ!」
「いえ、ないってことは……」
「ええ、ええ! 世間一般よりはとーっても小さいですよ!」
そのあとここでであって、向こうではそうでもなかったのにっ、と、つぶやく声が聞こえたけれど。
とりあえず……。
「どちらにしろ、あまりじっと見るのはぶしつけだと思うの」
「でも目につくと見ちゃうんだから仕方がないと思うの!」
困ってしまって視線をさまよわせると、ぱちり、と、彼と視線が合う。
……とたんにそらされる。もう、困ってるときにそんな。話題が話題だからわからなくもないけど。
と、その視線の動きに気づいたのか、彼女が彼をみて。
「ねぇ。やっぱり、大きいほうがいいの?」
真顔で聞いた。
……少しだけ、彼女につつしみというものを教えるべきなのでは、と、思ってしまった私だった。
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