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[掌編]ファンタジーしよ!

2013.04.07 Sun [Edit]

Cat Fantasy
Cat Fantasy / khanb1



超能力が手に入るならなにがいい? と、夢の中で誰かに聞かれた。
なので、一生懸命、具体的に、細かく、こんな風な力がいい! と伝えてみた。

沈黙とどこか呆然とした気配が返ってきたけど、夢の中だからキニシナイ!
そのままワクワクしながら待ってる、と、ふわりと意識が浮上し始める。

あ、夢から醒める。残念だなぁ、と、思いつつ、抗わずに目覚める。

その寸前、深い溜息と、仕方がないな、と、いう声が聞こえた気がしたけれど、夢の中のことだから、そのまま忘れてた私なのだった。





さて。
そんな夢を見る私という人間は、ファンタジー的? というか、ファンタジー風の世界観が好きな、オタク、かもしれない。
とはいえ、はいふぁんたじー、と、ろーふぁんたじー、の区別はつかない、ほどほど軽度の、軽いオタクより女子高生、というところだろうか。
ゲームは得意じゃない。攻略本読んでもうまく勧められない。でも、嫌いじゃないから、他のゲーマーな友だちに、ふざけるなぁぁと頭を抱えられて叫ばれるくらい、傍からみると非効率的めんどくさいくらい遠回りで、ぼちぼちとクリアしていく。
本を読むのは好きで、妄想も大好き。だから、暇があれば妄想し、ついでに、調べ物~と銘打って、塩の出来るまで、とか、そんな○○の作り方みたいな本も、ぼちぼちと読んでいる。

いやあ、高校生になって知ったんだけど、小学生向けの本ってすごいね。
ものすごくわかり易い言葉で、わかりやすくいろんなものの成り立ちだったり作り方だったり、歴史だったりが紹介されてる。

ついつい地域の図書館で、子どもに混じってそんな本を読んでる私です。たまに、小さい子つれたお母さま方の視線がいたいです。でもきにしません!

毎週日曜日は図書館の日! なんて銘打って、自分で弁当作っては入り浸ってる私は、ある意味奇特な女子高生だと思います。

で。

例の夢のことはころっと忘れてたのですが。

あとからその夢をみてからだと気づいたんだけれども、どうやら読んだものをガッツリ記憶できるようになった模様。
図書館の本しかり、学校の教科書然り。

というか、図書館の本の内容が、えらく鮮明に思い出せるもんで、変だなぁとおもいつつ、家でこう、復習予習をその日はしていたわけですよ。
毎日するわけじゃないですが、程々にやってるそれを、今日もぼちぼちやってみたわけなんです。

で、翌日。

学校いってみたらば、小テストとかいうじゃないですか、やだー。英語苦手なのにーと、テストに向き合ったらば。

普段は100点中10点とか、トンデモないレベルの私の英語の単語テストの点数が、今日に限って満点。

思わず読み返して、先生、点数間違ってます! とか手を上げそうになりましたよ本当に。

おかしいおかしい、と、思いつつ、確認してみたところ、どうやら、記憶力が跳ね上がってる様子。

といっても、何もかもすべてを、いつでもどこでも思い出せる、というわけじゃなくって、例えば、今日の英語の小テストでいえば、小テストの問題をトリガーに、頭の中にしまわれた単語たちがどどーんと出てくる、みたいな。
整理した引き出しの中にいつも情報がしまわれてて、きっかけがあれば思い出す、みたいな。

これってテスト最強じゃん? とか、思ったのですが。

……ちゃんと、情報を仕込まないと思い出せないから、意味がなかった。

つまりこうですよ。英語ならちゃんと単語に目を通して置かないと、もちろん覚えられない。ストックされない。

数学ならば、公式を覚えてるだけじゃどうにもならなくて、その問題と類似する問題の解答を覚えてなければ思い出せないしプラス、出てきたものを応用できなきゃ意味が無い。

なんだよー、覚えるだけじゃダメなのかー、応用力が必要なのかー、と、ちょっとふてくされつつも、それでもやれば成績あがるんじゃん、と、気合を入れて勉強、というか、しっかりと本を読み込んでみたならば。

だいぶ成績上がったよ! 一番にはなれなかったけど! なれなかったけど!

学年1位がどれだけとんでもない人間なのかと、戦慄した私なのでした。


そんなこんなで、まあ、それでもとっても便利な力? のお陰で、生活が楽しくなってきたのですよ。
この力のおかげで、よりいっそう、本を読むのが楽しくなったのですよ。だって、読めば読むだけ、知識が蓄積されるのですよ。

目指せ、学校の図書館の本制覇あーんど、地域の図書館の本制覇! などと心に目標を掲げ、ひたすらに本を読み続ける日々です。

あ、お勉強もしてますよ、学生の本分ですから!

まあ、夢のことなんてころっと忘れての、そんな、それなりに楽しくて充実した毎日を送っていたわけなのですが。

先日。

本をですね、読み終えたわけですよ。
学校のと、地域のと。

さて、次はどこの図書館を制覇するか、と、そんなことを考えていた私なのですが、突然、脳裏に声が響くじゃありませんか。

そろそろいいでしょう、ってなにがですか?

能力を使いこなせるようになったようですね、って貴方どなたですか?

それではよき異世界ライフを、って、なんですか異世界って!

ええええ、と、混乱している間に、足元にどーんと現れる魔法陣。……魔法陣?!

頭に情報が浮かび上がってくるのだけれど、それは、どちらかというと「トンデモ本」みたいな扱いの本の中にあった、神かくしの話に出てきた模様にそっくりで、え、ええ、あれって本当に会った話なの?! なんて、パニックになってるうちに、私は光りに包まれてしまって。

うわぁぁ、なんて、思うまもなく。

眩しさに目を閉じ、再び開いた時には、草原のどまんなか。

草原ですよ、草原。一面の背の低い緑の草原。ステップ気候ー! などという言葉を頭によぎらせながら、どうしようどうしよう、と、焦りつつ見上げた空には、ぽっかり浮かぶ大小2つの太陽。

……暑そうだな、と、思った私は、きっと、混乱が極まっていたに違いない。


こうして、夢の声で超能力? を授けられた私は、ある日突然、見知らぬ世界へと、投げ出されたのでした。


途方にくれてしゃがみ込み、心細さに鳴き始めるまであと数秒。

この世界で最初の第一異世界人に遭遇するまで、あと30分ほどのお話でした。

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Theme:自作小説 | Genre:小説・文学 |
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