[掌編]3.運命に弄さるる者
2012.06.08 Fri [Edit]
この手のひらに、もう一度掴むことが出来るならば。
私は決して、もう二度と手放さなすことはないだろう。
――遠い遠い夢の記憶。
窓の外を見つめる。
放課後の教室、既に他に誰も残っていないそこは、窓から差し込む夕日で赤く照らされていた。
窓の外には夕焼けの空、部活の片付けを始めた生徒たち、揺れる木の葉、ごくありふれた光景。
――ありふれた光景、が、どれほど貴重で愛しいものなのか、私は知っている。
空にあるのは夕焼け色に空を染めるひとつの太陽と、既にうっすらとのぼった月。
私は決して、もう二度と手放さなすことはないだろう。
――遠い遠い夢の記憶。
窓の外を見つめる。
放課後の教室、既に他に誰も残っていないそこは、窓から差し込む夕日で赤く照らされていた。
窓の外には夕焼けの空、部活の片付けを始めた生徒たち、揺れる木の葉、ごくありふれた光景。
――ありふれた光景、が、どれほど貴重で愛しいものなのか、私は知っている。
空にあるのは夕焼け色に空を染めるひとつの太陽と、既にうっすらとのぼった月。