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1.誰にでもスキだらけ

2011.11.29 Tue [Edit]
真っ直ぐに向けられる感情が、嬉しくなかったわけじゃない。
愛しくて、恋しくて。誰よりも大切だからこそ。
簡単に言葉になんて、できるわけがなかった。

「おにいちゃん、だいすき!」

はじけるような笑顔で、告げられるたび、誇らしくてうれしくて照れくさくて。
ただただ無邪気でいられたのは、幼いころだけ。
思春期になれば、感情は複雑に揺らいで。愛しいけれど、大切だけれど――真っ直ぐな感情が、どこか煩わしくて。
どこかつっけんどんな対応になっていたその時代ですら、彼女はまっすぐに、ただひたすらに、こちらを見ていてくれた。

それが恋なのか、ただの家族愛なのか、なんて。
きっと答えは、まだわからない。

中学、高校、大学、と。
別に彼女がいなかったわけではなかった。それなりの付き合いもしたし、それなりの相手もいた。
ずっと、彼女を見ていたわけじゃない。ずっと、彼女を思っていたわけじゃない。

けれど。

気がつけば、まっすぐに向けられるその視線を、探していた。

――腹をくくるまでに、時間がかかったのは、自分だけの秘密。



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Theme:オリジナル小説 | Genre:小説・文学 |
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